公務員を志望する人から話を聞くと、「社会をよくしたい」「社会を変えたい」と語る人が多くいます。
でも、そういう人が公務員試験を合格したとは私は聞いたことがあまりありません。また、熱意や夢をもって公務員になった人ほど、早期に辞めます。
せっかく熱い気持ちがあっても公務員になるのが難しい。もし本気で公務員になりたいと考える人に、あえて熱い気持ちを語らないことをおすすめします。
公務員になっても、やりたいことはできない
公務員試験を受験するにあたり「公務員になったらやりたいこと」を考えると思いますが、現実的にはその希望がかなわないことが多いでしょう。
例えば、少子化対策に従事していきたいという希望をもって公務員になったとします。
けれど、一年目で保育や子どもに関する部署で働けないでしょう。戸籍課の窓口業務が仕事かもしれませんね。
それでも最初は希望をもって働くでしょうが、市民には理不尽なことを言われたり、入る前はあんなに楽そうに思っていた仕事だったはずなのに現実は忙しい…心が折れそうになります。
あなたは数年後の異動するチャンスがおとずれるまで頑張ってきました。そして上司から告げられた異動先は、広報課。
「市民応対が良かったのが評価されたね。新天地でも頑張って。」と上司から励まされたけれど、広報課ではクレーム対応がおもな仕事でした。保育園を増やしたいという夢からはどんどん遠ざかり、頑張れなくなってきます。
このように公務員の仕事は、自分の志望とは違うことをすることが多く、「何のために公務員になったんだろう」と考えて辞める人もいます。また、頑張っても希望通りにならないなら楽な仕事をしたいと思い、業務への取り組みが怠慢になる人もいます。
「やりたいことができない!」公務員だけではない
「やりたいことがあって就職したのに、なかなかできない!」という不満は公務員だけではありません。民間企業に就職した場合でも見受けられます。
そもそも日本企業の多くは、世界では特有の雇用をしていて、メンバーシップ型雇用と言われます。
メンバーシップ型雇用では、会社・組織の一員になり、職務全体の知識をもち幅広い経験を積むように求められます。自分が希望していない部署・勤務地でも働くように強いられることもあります。
このようなメンバーシップ型雇用では、ジェネラリストを養成できますが、専門性が身に付かないことがあります。さらに、自分の意に反した異動をしなければいけないことがあります。
公務員の事務職は、メンバーシップ型雇用の典型です。いろんな部署を渡り歩き経験を積むことが求められます。
民間企業と違うのは、ある一つの部署・地域に長くいると市民と関係が深くなりすぎて収賄が起こる可能性があり、異動が多くあります。また、公務員はクビが難しいため、問題がある人物も人事異動をしてなんとかやり過ごそうといます。
一般の企業よりも、専門性が身につかずジェネラリストになりやすいです。
熱い気持ちがあっても、現実は裏切られることが多くあります。それなら、公務員になることに夢や希望をもてないのでしょうか。
本日はここまで。
今度、志望動機の書き方を考えますね。