どーも うっかりママのblackyです。以前書いた記事にリクエストがあったので、読解力をつける方法について書きます。
読解力の先生をしていました
私は、大学生の頃に小学生向けの国語・読解力養成する講座で講師のバイトしていました。
そこの塾では、講師として容姿が良く気が利く人が多く採用されていました。アルバイト卒業後にはアナウンサーになった人もいます。デキる人たちの中にいたblackyですが、自分は皆と一緒ではないと感じていました。当時はADHDだとは気が付いていませんが、気配り気遣いしようと頑張っても空回りしていました。
それでも私が採用されたのは、面接のときに私が書いた絵が的確に細かいところまで描かれていて、読解力が高いと判断されたからです。
「読解力の判断に絵なんて嘘だろう?」と思うかもしれませんが、本当の話。そこの採用基準の一つが絵でした。
想像しながら読む
文章を読みながら、人は想像します。実際にはこの目で見ていないことを頭の中でイメージとして描きます。私は文章を読んでいるとき、頭の中に絵を描きながら読みます。音や香りも想像します。皆さんもイメージしながら読んでいると思いますが、どこまで細部を描けるかは人によって違います。私は他の人より細かいところをイメージできるようです。
国語の試験では「登場人物○○の気持ちはどのようなものでしょうか。」なんて問題がありますが、主人公が、いつ、どんなところにいて、何をしているか把握していないと、気持ちなんて理解できません
状況把握ができないから気持ちがわからないのは夫婦喧嘩でも同じですね。例えば、よく夫が妻に怒られるケースとして、妻が体調が悪いときに、赤ちゃんがイヤイヤばかりして育児が大変で、家事もひとりでやって…と大変な一日を過ごしていたのに、夫は妻のことを全然知らないとします。夫は帰宅して、部屋を見て「散らかってるね」と言い、夕飯を見て「おかず少ないね。」なんて言って、妻は激高し「私の気持ちわかってない!」と言い喧嘩になりますね。夫が、妻の一日の様子を把握していれば、妻の気持ちを理解し喧嘩にならずに済むかもしれません。
気持ちを察するには、まず状況を細かく把握することが大切です。登場人物の心情や筆者の主張を読み解くには、まず文章から状況を把握することが重要です。
本嫌いが本を読むのは大変
文章を読むというのは、文章を手掛かりにして頭の中に絵を描き、音やにおい、表情を脳内で再現する作業です。抽象的な用語が多い論説文であっても、できるだけ具体的にイメージします。
私たちはゼロから何か想像することは難しく、過去の記憶を頼りに想像し文章を脳内に再現しています。そもそも記憶している情報量が少なければ、文章を読み解く手掛かりが足らずイメージが細部まで描けません。
だからこそ、たくさんの本を読み、様々な知識や考え方を吸収すればいい
と言いたいのですが、読解力をつけたい人は本を読みたくないんですね。本に触れたくもないぐらい苦手かもしれません。そんな人に本を読めと強制して無理やり読ませたらますます本嫌いになるだけなんですね。
テレビでいいから情報を仕入れろ
だから、本以外の手段でいいので情報を吸収しましょう。何でもいいです。
まずは自分の好きことの情報を仕入れましょう。活字だけでなく、テレビ・映画・動画、舞台を観たり、アウトドアやスポーツ、趣味の活動を経験するのも良いと思います。
私はテレビっ子で、自分の部屋にテレビがあったのでテレビを観ながら勉強することもありました。アニメもドラマも見ながら勉強していました。ニュースもよく見ていました。
私はADHDだからこそ、興味・関心が広くあります。色々なことを知りたいやってみたい。得た知識は浅いかもしれませんが、話のネタになるような雑学は結構持っています。そういう雑多な知識が文章を読み解くには役に立つこともあります。
自分の好きなことやっているうちに、その好きなものに関連する本なら読めるかもしれません。最初は解説書や図鑑、漫画を読んでみてください。絵やイラストが多いものでいいです。読んでる本の全てを覚えようとしなくてもいいです。まずは一通り読むことで文章を読むことに対して苦手意識が減ります。
次に、好きなものをテーマにした小説や新書を読んでみてください。知識や経験が多いことに関しては、頭の中に絵を描きやすいのでスラスラ読め理解しやすいと思います。
リアルを知る
漫画やアニメを見てもよいのですが、漫画やアニメは誇張された表現で描かれるので、正しい知識が得られないこともあります。自然現象や歴史、文化などに関しては『本物』を知っておくことは大切です。
最初に話した講師時代にあった出来事です。他の講師が生徒に対して『火起こし』を説明しましたが、内容が不十分で、上司がとても怒ったことがあります。講師の多くがバーベキュー、キャンプファイヤーなど経験したことがなく、火起こしを経験したことがありません。また、最近では良い着火材があり簡単に火起こしができるので、『火起こし』の難しさや手順を知らない講師ばかりでした。
上司に「お前なら何を説明するのか?」と尋ねられました。
私は外遊びが好きで、木登りをして過ごしていました。父は海水浴やバーベキューに連れていってくれました。私は、キャンプの経験を思い出しながら火起こしについて知っていることを話しました。
木・炭をただ積み上げるのではなく風が通り抜けるように組むこと。大きなものには直接火がつきにくいので、木のくずや布などに火をつけその火を移すこと。
上司は私の説明を聞いて、「これだよー!空気が通らないと火はつかないし、パッと簡単に火はつかないんだよ!」と言ってました。
火をおこすことを経験していなければ、私は手順の説明もできないし、火を扱うことの難しさや面白さやも理解できなかったでしょう。
経験しているかどうかによって理解の具合が違います。実際の目で見て、耳で聞き、手足で触れ、食べて、経験することは大切です。ただ全てを経験することは難しいので、テレビならドキュメンタリー番組や教養系の番組を見るのもよいと思います。できる範囲で『本物』を知りましょう。
家庭で精読してみよう
文章の描写を正確に読めているか確認するために、精読をしましょう。
学校の国語・現代文の授業でも精読しているはずですが、集団授業の場合「この部分の描写は~な様子を表している」と先生が一方的に説明することが多く、生徒一人一人が想像している内容を確認するまでには至らないことがあります。学校や塾では難しいと思いますが、家庭で取り組むこともできます。
精読とはじっくり本を読むことです。いきなり難しい文章、長い文章ですと飽きてしまったり嫌になってしまいます。絵本のように文が少なく軽い文章でいいので、お子さまと一文一文読みます。一文読んだら、子供が何を想像したか質問してみてください。
今回は小学生を想定して説明します。
例えば、「蝶が野原でひらひら飛んでいます。」という文を読んだとします。
ケース1
親「蝶はいくついる?」
子「みっつ?」
親「ママはひとつをイメージしたけれど
3つもいいね!」
親「ひらひらってどんなとびかた?」
子「(手をふわふわ動かして)こんな感じ?」
親「そうだねーわかってるね!」
ケース2
親「蝶はいくついる?」
子「たくさん!」
親「え?どのくらい?」
子「百はいるね!いやもっとかな!」
親「それはコワイでしょ。
そんなの普通見たことないよ。」
子「えー」
親「じゃあ、ひらひらってどんな感じ?」
子「(手を勢いよく動かして)こう?」
親「蝶はね、
バサバサ、ビューンって飛ばないよ。
それも百匹いたら、ホラーでしょ?」
子「面白いと思ったのに!」
このケースはフィクションです。
でも、人によっては、のどかな情景をホラー映画ぐらい怖い様子で想像していることもあります。それぐらい人それぞれイメージが違うことがあります。
イメージは人それぞれなので、親と子の間でも多少の違いは生まれます。多少イメージが違っていても、そのままで構わないです。共感してください。
けれど、お話の大筋が変わってしまうようなイメージをお子さんがしていたら、修正してください。正しいことを伝え、ちゃんとイメージを共有し、次の文章に取り組んでください。
この作業は講師の際にしていたことで、時間と労力がかかります。子供より親のほうが苦労することもあります。ゆっくり少しずつでいいので親子で取り組むといいと思います。
子供と一緒に本を読もう
私は親に「本を読みなさい。読書をしなさい。」と言われることはありませんでした。
母に「中学受験の面接で『最近読んだ本の感想』を聞かれるし息抜きに本でも読んだら?」と言われたことはありますが、無理に読ませるようなことはなかったです。
母は私にそっと本を手渡してくれました。私がサスペンスドラマをよく見ていたら、母は宮部みゆきさんの本をお薦めしてくれました。私が疲れているときには、漫画を大人買いして貸してくれました。母は漫画が好きで、私も一緒になり読んでいました。母は、私に娯楽や趣味、息抜きとして本を与えました。
今思えば、子供が受験する親としては、「もっと子供に勉強してほしい」「もっと読書してほしい」と思うこともあっただろうと思います。けれど、思春期で多感なときに、読書や勉強を強制されたら本を拒絶していたでしょう。
受験勉強をしていると焦りや不安でいっぱいなるのは親も子も同じです。そういうときこそ楽しみましょう。親子で一緒に同じ本を読んだり、本をお薦めしあったり、一緒に取り組めば、みんながハッピーになりますよ、きっと。
※読解のテクニックについては、別記事を上げます。
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